シンガーソングライター“Anly”インタビュー

シンガーソングライター“Anly”インタビュー
沖縄・伊江島生まれ。沖縄本島からフェリーで約30分、北西に浮かぶ人口約4,000人、
風光明媚な伊江島出身シンガーソングライター“Anly(アンリィ)”。
2015年11月にドラマ『サイレーン』主題歌に大抜擢、『太陽に笑え』でメジャーデビュー。
デビュー前には黒板チョークアートで話題となった大塚製薬「カロリーメイト」CMにも起用される。
アコギ1本で空気を一変させる力を持つ、一番注目されるシンガーソングライター。

 

 

■取材・文:永堀アツオ

—— 本日はカレー屋さんでのインタビューになります。カレー好きなんですね。

そうなんですよ。カレーを好きになったのは東京に来てからなんですけど、フジロックに行った時に、野外で初めてナンカレーを食べたんですよ。その時に、おいしいなと思って。それまでは家で作ったカレーしか食べたことがなくて。インドカレーを食べたのが初めてだったので、すごい衝撃を受けたんですね。

—— どんな衝撃だったんですか?

普通の家庭のカレーとは全く違う味や風味がして。スパイスを使った独特の味がするインドカレーも好きだし、ココナッツやクリームを使った甘めなのも好き。それに何より、私は何かを付ける行為が好きなんですね。ディップするのが好きなんです。だから、そばもつけ麺も好きだし、バーニャカウダーも好き。ディップできる食事の中で一番好きなのがナンなので、どんなカレーでもとりあえずナンがあれば大丈夫です(笑)。それから、週に3日くらい食べていた時期もありますけど、今はそんなに食べてなくて。ご褒美みたいな感じで食べてますね。

—— ご褒美というのは?

MVを撮り終えた後とか、アルバムができた後とか、大きなライブが終わったときとか。最近だと、有名なゴスペラーズの黒沢さんのお家にお招きいただいたのが1番のご褒美でしたね。

—— オリジナルカレーのレトルトを発売してるくらいのカレー通ですから。

本当に一から作ってくださったんですよ。「今日は、このスパイスを買ってきた」って言ってましたけど、材料も全部、ご自身で買ってきて、具材をフライパンで炒めて。スパイスの味が1つ1つしたし、付け合わせの茹で卵にもクミンが使われていたりして。本当に本格的で、普通のお店よりも美味しいって感じるくらい美味しくて。カレーって奥が深いんだなって感じたし、黒沢さんほどじゃないですけど、カレーって聞くと、それだけでテンションが上がりますね。

—— ちなみにAnlyさんもご自宅で作ります?

私は作らないです。お店で食べる方がおいしいですね(笑)。

—— 地元の沖縄にいたときは?

あんまりカレー専門店はなかった記憶ですね。家庭でも沖縄料理が多いし、ナンカレーも食べたことがなかったし、お店でカレーを食べること自体がなかった。みんな、だいたいタコスとか、ハンバーガーとか、アメリカンなご飯の方を好んで食べてました。

—— では、食のルーツというと?

やっぱりゴーヤですね。あと、パパイヤとか。家になってるので、それをとって、炒めて食べる。あと、家には(グアイや(トル))バナナやグァバもなってて。隣のおばあが、グアバ……沖縄の方言で「バンシルー」って言うんですけど、家の庭にバンシルーがすごいなってるので、それをミックスジュースにして毎年くれてました。ちょっとだけ梨を入れてるって言ってましたけど、すごく甘くておいしいですね。果物だけじゃなく、アオサとか海鮮も、自分で取りに行ってましたし、菜の花を取りに行くのも好きでしたね。

—— 色に関連して、食後の飲み物は何がお好きですか?

私は何を食べてる時も、大体ブラックコーヒーしか飲まないです。

—— 女性では珍しですね。コーヒーで、しかも、ブラックのみというのは。

本当にコーヒーが好きで、いろんなコーヒー屋さんを回ったので、好きな豆もあって。アリーシャっていうエチオピアの豆が一番好きなんですけど、私の楽器のお世話をしてくれてるローディーさんもコーヒーが大好きで、毎回、11時間くらい水出しして、2リットルくらいのコーヒーを現場に持ってきてくれるんですね。毎回、味が違うのもわかるし、二人で「たぶん、11時間が一番おいしいな」って話してたりしてて。コーヒーが苦手だっていう人は、飲んでるコーヒーが苦すぎるんだと思います。浅く淹れたやつが合うし、おいしいやつは風味が蜂蜜っぽかったり、紅茶っぽかったりするし。いつかコーヒーを愉しむようなライブがしたいなと思いますね。

—— コーヒーにハマったのは?

なんだろう……。もともと高校生の頃からブラックしか飲んでないんですよね。スターバックスでもドリップだし、甘い飲み物を飲む習慣があまりないんです。どうせなら噛めるもので甘いものをの食べたい。人それぞれですけど、私は飲み物で甘いのを摂取したくないなっていう気持ちがあります(笑)。

—— 水出しが一番?

ドリップもいいんですけど、私はまだ若いのでアイスコーヒー専門なんですね。もっと年齢を重ねたら、きっとホットコーヒーがしみると思う(笑)。でも、海外に行くとアイスコーヒーがないんですよね。ドイツに行った時もアイスコーヒーなくて。あったとしても、勝手に砂糖を入れたりするんですよね。ちゃんと説明しないとブラックで来ないし、氷も入れてくれないので。そういう面では日本で良かったなって思いました。

—— (笑)昨年の夏にリリースした2ndアルバム『LOOP』には「COFFEE」という曲もありますけど、あれは甘い缶コーヒーですよね。

そうですね。現実逃避して自分を甘やかしたいっていう意味で<甘めのコーヒー>にしたんですけど、実際の自分は飲まないですね。でも、みんなはその方が現実逃避できるかなと思って、そういう歌詞にしました。

—— 缶コーヒーのCMに合いそうな曲ですよね。炎が燃えてるやつ。

そう思って作ったんですよね。「Fire」のCMに使ってくれたらいいなと思ってます。いつか見つけて欲しいです。

—— カレーやコーヒーが音楽のインスピレーションになったりするんですね。他にも食べ物や飲み物から曲を作ったりしますか?

ありますね。「レモンティー」っていう曲は、お母さんがお兄ちゃんを産んだ時に最初に飲んだ飲み物なんですよ。お母さんが「レモンティーを飲むとお兄ちゃんのことを思い出す」って言ってたのを聞いて作りました。他にも、サンドイッチがすごい好きで、「ENEMY」で歌詞に使ったりしました。

—— 食と音楽の関係はどう考えてます?

最近、弾き語りライブをe-plus caféさんでやらせてもらってるんですけど、そこは食事をしながら、音楽を愉しむ、みたいな雰囲気でいいよなと思って。ご飯を食べてる時にいい音楽が流れてくると、すごくおいしいなって感じますし。逆に、音楽を聴いてる時にコーヒーを飲みたくなることもある。いろんな場面で音楽が登場して、さらに日常を味付けしてくれるっていう関係じゃないかなって最近、思います。

—— ご自身の思い出ではなにかありますか?

ロバート・グラスパーの「アフロブルー」を聴くと、沖縄の北谷でコーヒーを飲んだ時のことを思い出しますね。北谷ってすごくおしゃれな街で、夕陽が見えるんですけど、そろそろ夕日が落ちるっていう時に流れてきて。その風景とすごくマッチしてたし、その時に飲んだコーヒーがすごく美味しかったですね。それが一番最近の食と音楽の思い出ですね。

—— そういえば、新曲のMVは北谷で撮ってますよね。

撮影の前の日に行ったんです!

—— 楽曲の話をお伺いする前に、11月から5ヶ月連続でデジタルシングルの配信がスタートします。この企画の発端からお伺いできますか?

今、2ndアルバムをプロデュースしてくれた(Juan)Ariza一緒にと曲を作ってて。いい曲ができてきたので、早くみんなに聴いて欲しいなと思ったんですね。ジャンルに捉われずに音楽をやっていきたいし、いつもよりスピード感のある提供の仕方をしたいなと思って始めました。

—— 第1弾「Taking My Time」はラブソングになってます。

タイトルは「ちょっと待って」みたいな意味で。友達と恋人の間にいるような微妙な関係で。仲がいいんだけど、この関係を崩したくないし、でも、進みたいしっていう気持ちの間で揺らいでいる時期の曲ですね。MVは撮影も編集も全部、自分で作っていて。沖縄の北谷で撮影して、ちょっとLAの景色も混ぜてて。

—— 映像とジャケットにはパンケーキが登場してます。

これも自分で前日に一生懸命に作ったんです。パンケーキが積み上がっていく感じでこの二人が重ねてきた時間を表現しつつ、切って食べようとしたり、分け与えようとしてて。でも、欲張りすぎたらダメだよっていうメッセージも入っていますね。ちゃんと積み上げていけば、この二人にとって、とてもおいしい時間になるんじゃないかなっていう気持ちも含めつつ、MVではデート風景を撮ってます。そういう関係の人たちって結構、いると思うんですよね。私も片思いのことが多かったし、そういう関係をもっとポップに皆さんに楽しんでもらいたいなと思って。楽曲のトラックも明るいし、ライブに好きな人と一緒に来てもらって、隣で一緒に<OhOhOh>って歌ってもらえたら嬉しいなって思いますね。

—— まだ友達のままでいたいっていう心情なんですね。

そうですね。「ゆっくり味わって」っていう意味もあるんですけど、「あまり早く進むと関係が壊れるのが怖いな」っていう気持ちが一番かな。だって、もしかしたら成立しないかもしれないじゃないですか。これで思い切って告白して、「一緒にいると楽しいけど、友達止まりだ」って相手に言われたら、そこで二人がギクシャクし出して、友達関係も終わることも多い。そうなるのが怖くて踏み出せないでいる。もしも、そうなのだとしたら、今、はっちゃけて楽しんでる時間の方が自分にとってはいいのかなって悩んでる人の気持ちですね。

—— 楽曲はアコギのリフが基調になってます。

本当はバラードを作ろうと思って持っていったメロディを、すごいポップにアレンジャーのArizaが返してきたんですよ。私はすごいびっくりしたけど、こんなにも変わるんだんって言う勉強にもなったし、サウンド的には、最初、リフをエレキで入れようとしてたんですけど、爽やかなアコギの方がいいねって話になって。ミックスする時も前に出して、エッセンスになったらいいなって言う感じでトラックを作ってもらいました。

—— Anlyさんは渋いブルースやオールドロックのイメージが強いですけど、この曲はフューチャーベースぽい感じもあって、最新のサウンドになってますよね。

私は22歳なので、聞いてる音楽は同世代と一緒ですね。普通にカリードとか、チャーリー・プースやBLACKPINKも聞きますし。東京に来てから出会った音楽と自分のルーツが混ざって、みんなに新しいものを届けられたらなって思ってますね。

—— そして、11/12(火)にはduo MUSIC EXCHANGEで開催されるイベント「ユグラシドル」への出演が決定してます。

すごく楽しいライブになると思います。ななみさんとは仲良しで、DracoVirgoさんは同郷。何か共通点が見えつつ、それぞれ違うスタイルでやるライブイベントになると思います。私は一人でループペダルを回そうと思っています。その場で録音していって、トラックを作って歌うっていうスタイルです。ギター1本だけですけど、皆さんにいろんな景色を見せたいと思いますので、ぜひ遊びにきてください!

 

ケニック カレー(Kenick curry)

 

東京都渋谷区道玄坂2-25-7 プラザ道玄坂 5F
◎営業時間11:30~16:00(L.O.15:45)
◎ホームページhttp://kenickcurry.shop
◎公式アカウント
https://twitter.com/kenickcurry
https://www.instagram.com/kenickcurry

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