コーヒーを飲まない日は無いというAnly。
そんな彼女にとってコーヒーとは?
前回のカレーに続き、語っていただきました。

■取材・文:永堀アツオ
■撮影協力:STREAMER COFFEE STAND

——まず、今回の取材場所に「ストリーマーコーヒー」を選んだ理由からお伺いできますか。

都内にいくつか店舗があるんですけど、事務所が近い中目黒店に行くことが多くて。渋谷で好きな場所と言われて、最初に思い浮かんだのがこのお店だったんですね。あと、中目黒店よりも渋谷店のほうがコーヒーの種類が多くて。季節限定とか、バリエーションが豊富なので、ここがいいなと思って。今だとブルーベリーラテとかがあるんですけど、来るたびに違うコーヒーが飲めるのもポイントですね。

——このお店は外国人の方が多いですよね。

そうですね。中目黒店は半々くらいなんですけど、ここはほぼほぼ外国の方ですね(笑)。たぶん、トランクホテルが近いからだと思うんですが、どちらの店舗も雰囲気がいいし、店員さんもフレンドリーで優しい人が多いので、外国の方がも利用しやすいですし、たくさんの人が集まるんだろうと思います。

——ちなみにAnlyさんが今日、オーダーしたのは?

季節限定のマハラジャっていう、スパイシーなカフェラテです。コーヒーにはなかなかない風味で、シナモンが効いてて美味しいです。ここはラテアートも可愛いので、飲む前から楽しいですね。

——ラテ!?  前回のインタビューで「ブラックのアイスコーヒーしか飲まない」とおっしゃってましたよね。

そうなんですよ。でも、やっぱり冬になるときついなって思って(笑)、最近、ラテを飲むようになって。私が朝起きて、必ず行くコーヒー屋さんがあるんですけど、そこのラテが美味しくて。やっと、ラテを体が受け付けられるようになった。牛乳を飲むようになったからか、寝つきがいいんですよ。それまでは、なかなか寝れないことが多かったんですけど、ラテを飲むようになってから、確かに寝つきがよくなったなって思います。

——(笑)ラテを含めて、Anlyさんにとって、コーヒーを飲む行為は生活の中ではどんな位置をしめてますか。

コーヒーを飲まない日はないですね。絶対に飲んでます。自分で淹れることはしないので、最近は朝、必ず飲みに行きます。ラテでもブラックでもいいんですけど。コーヒーを飲んでからじゃないとスイッチが入らないですね。レコーディングの時も絶対にコーヒーを求めているし、欠かせない存在ですね。

——そこまで大事になったきっかけは何かありましたか。

うーん……最近、気づいたんですよね。コーヒーを飲んでない日ないなって。ただ、東京に来てから飲むようになったので、おいしいコーヒーを飲んだのがきっかけかもしれないです。それまではただ苦いって感じてたんですけど、ローディーさんが淹れてくれた水出しコーヒーを飲んだ時に、水出しの時間や豆の種類や新鮮さによって、こんなに味が違うんだっていう発見があって。このお店も店舗や淹れる人によって味が全然変わってくる。そこに気づいた時に好きになりましたね。ギターも同じギターでも弾く人によって音が違うし、使っている木でも変わってくる。そこも似てるなと思って好きになりました。

——家で自分で淹れて飲まないのは?

私の場合、コーヒーを飲むこと自体も好きなんですけど、コーヒーショップに集まる人と喋ったり、コミュニティー作る場所だってことも大事なんですよ。ミーティングにもよく使うし、好きな音楽や古着、お気に入りのコーヒーショップやサンドイッチ屋さんについて会話する情報交換の場でもある。コーヒーが人をつなげてくれるというか。私のローディーさんは現場に楽器を調節する道具と一緒にコーヒーセットも持ってくるんですけど(笑)、「このコーヒー、おいしいね」とか、「あのコーヒー屋さんに行こうよ」っていうコミュニケーションができることもいいなと思ってて。だから、そこに人が集ってなかったら、私もそこまで魅力を感じていなかったかもしれないですね。いつものコーヒーがあって、いつもの人がいるっていうのが、私にとってのコーヒーの魅力かなって思いますね。

——コーヒーショップに行って、店員さんとあいさつするのがルーティーンになってる。

そうですね。練習前には絶対に行きたいし、あとは、テイクアウトして、レコーディングスタジオでひと休みしたい時にも飲んでますね。音をチェックする時にいいんですよ。歌い終わって、一旦、歌うスイッチを切って、聴くスイッチをオンにする時に飲んでます。私が行くコーヒー屋さんには、スイッチをオンにする瞬間を見せてくれる人がたくさんいて。小さいエスプレッソをガッて飲んで、すぐに出ていく人もいるんですよ。私は場所の雰囲気や味も楽しんでますけど、オンのためだけに来てる人もいるのがすごいなって思ってますね。

——曲作りの時は?

歌詞を考えるときは飲みますね。飲むっていう行為だけでもちょっとリフレッシュできるから。最近は、私の中でカフェラテという新しいカテゴリーができたので、また広がりましたね。

——前作『LOOP』から1年8か月ぶりのニューアルバム『Sweet Cruisin’』に収録されている「BRAND NEW DAY」には<カフェラテ 飲み干したら行こう>というフレーズがあります。

そうなんですよ。そういう歌詞が自然と浮かんできましたね。今だから浮かんだんだろうなと思います。あんまりうまくいかなかった時に、気分転換にカフェラテでも飲みに行こう!っていう気持ちを書いたんですけど。

——コーヒーしか飲まないって聞いてたのでびっくりしました。

あはははは。ライフスタイルがちょこっと変わって。いろんなカフェラテがあるんですけど、ヌテラっていうチョコペーストのラテもあって。ある日、私がコーヒーショップに向かって歩いてる姿がすごく疲れてるように見えたらしくて。店長さんに『大丈夫? じゃあ、甘いのでも飲んだら』って、ヌテラのラテを出してくれて。そういうやりとりも好きなんですよ。カフェラテを好きになってよかったなって思いましたね。

——「Sunshine」でも<Café>に行ってます。

そうですね。最近はサブスクで検索して、1曲1曲を聴くようになっていると思うんですけど、作る側としてはアルバムとして聴いてもらいたいなと思ってて。このアルバムは朝から始まって、夜になって、また新しい朝が始まるっていう流れになってるんですね。その中でカフェは必要不可欠でした。

——カフェに行って、ラテとブラックを選ぶときの違いはなんですか?

カフェラテはどちらかというと柔らかい気持ちというか、そこまでがんばらなくてもいい日。がんばろうとか、今日はシャキッとしようっていう日はアメリカーノか、ロングブラックを飲んでますね。寒くてもアイスをがって飲んで、よし行くか! ってなります。ワーキングデーかホリデーかでも変わってくるし、時間帯でも違う。朝はアメリカーノが多くて、午後はおやつ感覚でラテを飲んだりします。

——アルバムでコーヒーやラテに合う曲を挙げるとすると?

ぜんぶ仕分けできますよ! ギターのサウンドがシャキシャキしてる『Taking My Time』と『We’ll Never Die』はアメリカーノ。『Sunshine』と『愛情不足 feat. Rude-α』は柔らかい感じだからラテかな。ブラック。シャキッと始まる。ギターのサウンドがシャキシャキしてるので。2曲目もアメリカーノかな。ギターのシャキッとした音はアメリカーノイメージありますね。サンシャインはラテかな。『DAREDA』は歌詞の内容もブラックな感じなので、絶対に深煎りのロングブラック。『Goodbye My Love』はラテですね。

——でも、ピアノを基調としたR&Bバラードでこれ失恋ソングですよね。

失恋だからこそ癒しがないとかわいそうだなって(笑)。ラテを飲んで、グッバイしていただこうっていうことですね。『Sleep』はアメリカーノ。16歳の時に書いた曲で、今やっと出せるっていう。トラックはSOULFLEXの Mori Zentaroさん。やっとコラボレーションできるのがすごく嬉しいですし、ちょっとシティポップな感じになってます。

——90年代R&Bマナーも感じます。

そうですね。一番コーヒーに合う曲かな。アメリカーノ飲んじゃうとスリープできないので、カフェラテであったくなったほうがいいかもしれないですね。『4:00 a.m. feat. mahina』はアイスカフェラテかな。ガールズトークって感じで、意外とシビアなことを言ってる。女子で集まって、こういうカフェで恋バナしてるイメージですね。mahinaは本当に親友なので、よく一緒にカフェに行ったりしてて。この歌詞を書く時も1枚の紙にバーっと書いて、それをちぎって、パズルみたいに組み合わせたりしてたので、すごくクリエティヴに作れたなって思ってます。

——「BRAND NEW DAY」はカフェラテですよね。ちょっとアシッドジャズっぽいサウンドで。

Zentaroさんの色が出てますね。私の中ではよく聴いている音楽なんですけど、やったことのないジャンルだったので、うまくミックスできてよかったなって思います。最後の『Not Alone』はアメリカーノ。自分自身の中にあるちょっとネガティブな部分と、すごくポジティヴな部分が一番色こく出てる。私、ネアカなんですよね(笑)。明るく見えて、意外と暗いんだけど、根っこは明るいっていうサンドイッチみたいになってて。それに気付けたし、認められた曲かなと思ってて。歌っていくうちに、やっぱり希望がないと歌う意味がないよねって思うようになったんですよ。

Anly 『BRAND NEW DAY』 Short ver. Music Video

 

 

——本作はアルバム全体としても明るく楽しげで、友達に励まされているような気持ちになる曲が多いです。

嬉しいです。アルバムのタイトルのCruisin’って、船のことじゃなくて。アメリカの若者が「ドライブ行こうぜ!」っていう時に使うんですね。私、伊江島にいるときは、島なので遊ぶ場所もないし、海か道路で集まるか、親とドライブに行くことが多かったんですよ。だから、私の曲の中にはドライブっていう言葉がいっぱい出てくるし、気を抜くと、ドライブばかり行ってるんですね(笑)。でも、それが今回のアルバムのコンセプトでもありました。Sweetは、ロスでレコーディングしていた時に、アレンジャーのArisaが口癖のように言ってて。AwsomeやThat’s coolのかわりに、Sweetってよく言ってたんですよ。それが頭に残ってて、Sweet Cruisin’にしました。

——5月からは「Sweet Cruisin’ Tour」が始まります。

前回と同じくループペダルセットとバンドセットで回るんですけど、今回は沖縄にもバンドセットで行けることになったし、東京は今までで一番大きい恵比寿リキッドルームなので、今からすごく楽しみにしてますね。ほとんどの会場はループペダルセットなんですけど、今、新しいマシーンも試行錯誤しながら挑戦していて。うまくいけば、前回よりも楽しいパフォーマンスができるかなと思うので、頑張りたいと思いますし、皆さんにも楽しみに待ってて欲しいなと思います。

 

Anly “Sweet Cruisin’” Tour 2020

<LOOP PEDAL SET>

●5月16日(土)埼玉・西川口 Hearts
●5月17日(日)千葉・千葉 ANGA
●5月23日(土)福岡・福岡 CB
●5月24日(日)熊本・熊本 Django
●5月30日(土)岩手・盛岡 the five morioka
●5月31日(日)宮城・仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
●6月6日 (土)神奈川・横浜 BAYSIS
●6月7日 (日)奈良・奈良 NEVER LAND
●6月14日(日)北海道・札幌 SPIRITUAL LOUNGE
●6月20日(土)香川・高松 toonice
●6月21日(日)広島・広島 BACK BEAT
●6月28日(日)新潟・新潟 CLUB RIVERST

<BAND SET>

●7月10日(金)大阪・梅田クラブクアトロ
●7月11日(土)名古屋・名古屋 JAMMIN'
●7月16日(木)東京・恵比寿 LIQUIDROOM
●7月19日(日)沖縄・桜坂 セントラル

※詳細はAnly公式HPをご覧ください。

 

STREAMER COFFEE COMPANY

インタビュー場所:STREAMER COFFEE COMPANY(Shibuya)

◻︎東京都渋谷区渋谷1-20-28
◻︎AM 8:00 ~ PM 6:00 (月-金・祝)
 AM10:00 ~ PM 6:00 (土-日)
◻︎TEL : 03-6427-3705
◻︎HP : http://streamer.coffee/index.html
◻︎Instagram : https://www.instagram.com/streamercoffeecompany/

 

Anly

1997年1月、沖縄・伊江島生まれ。沖縄本島からフェリーで約30分、北西に浮かぶ人口約4,000人、風光明媚な伊江島出身シンガーソングライター。
高校を卒業した年、18歳の2015年11月にドラマ主題歌に大抜擢、「太陽に笑え」でメジャーデビュー。2018年には日本国内では100本以上のライブ、イベント出演を重ね、「香港アジア・ポップミュージックフェスティバル 2018」にて優勝。その後日本国内では女性アーティスト初となるLoop Pedalを駆使したライブツアー『LOOP NIGHT』をスタート。同年2018年7月に発売された自身2枚目となるフルアルバム「LOOP」はLA在住の新進気鋭のサウンドプロデューサーJuan Arizaらとともに制作された。
Loop Pedalのパフォーマンス、唯一無二の歌声で日本国内では「今一番ライブで観たいシンガーソングライター」と話題のアーティストである。

公式HP:https://www.anly-singer.com/
Twitter:https://twitter.com/Anly_singer