アーティスト“Caravan”インタビュー

アーティスト“Caravan”インタビュー

アーティスト“Caravan”インタビュー

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Caravanがニュー・アルバム『The Universe in My Mind』をリリースした。
タイトル通りアルバムの中には、内省的なCaravanの姿を感じることができる。
様々な環境の変化の中で、常に自分の音を育んできたCaravan。
変わらないために変わり続けるミュージック・ライフを聞いてみた。
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—— Weekend Session(以下WS):新しいアルバム『The Universe in My Mind』のコンセプトを教えてください。

Caravan:コンセプト先というわけではないんだけど、まず曲を作っていく上で、今までは例えば旅に出ようとか、もっと遠くへとか、そういった外側に向かうテーマが多かったんだけど、最近、子供が生まれたりしたこともあって、自分の真ん中みたいなものが変化してきていて。中心みたいなものがね。そうなったときに、自分の核の部分。自分の居場所だったり、家族だったり、小さいファミリーだったり、それこそ仕事の上でもそうだけどパートナーだったり、そういう自分と直接手の触れ合える範囲で関わってる世界を、ちゃんとアルバムにしたいなと思うようになって、そういうところから『The Universe in My Mind』を作りました。自分自身は本当に遥か彼方にあるものではなくて、ここにあるものだっていうイメージでタイトルがついた感じですね。

—— WS:そういう心境の変化というのは。お子さんの誕生というのが大きかったわけですね。

Caravan:やっぱり、それは一番大きかったですね。もうすぐ2歳になるけれど、子供が生まれたことというのは、大きな出来事だったなと思います。あとは、今年、Caravanとして始めて15年目という節目もあって、始まったばっかりの頃のCaravanからは、想像つかない今があったり、15年前は15年続いているかどうかもわからなかったし、どうなってるかなんて予測もできなかったんですけど。まぁ、それが今でもこうやって自分たちなりのやりかたで続けていけるっていうことに関しても、すごくそれは感謝しかないし、ほんと自力だけではないので、そういうところもインスピレーションになっているとは思います。

—— WS:今回のアルバムでも、受け取る側からはいろんなイメージが膨らむような気がするんですが、受け手に関してはどう思っていますか?

Caravan:そうですね。受け手がどう取るかというのは、俺にはコントロールできない部分だし、こう取って欲しいというのも特にないんですけど。基本的に俺はこう思うよっていうことを歌っているので、こうあるべきだとかこうあれっていう押し付けがましいメッセージは自分もあまり欲しくないし、メッセージというよりもヒントだったり、ちょっとしたきっかけになってくれれば、それはそれですごく嬉しいなと思うんですけどね。

—— WS:聴いてくれる人に対しての問いかけですね。

Caravan:そういう曲もありますね。あとはそう本当にたとえば子供だったり妻だったり本当に自分の周りの何処かの誰かではなく、具体的に自分の身近な人に対する歌というのもたくさん入っていますね。

—— WS:2曲目の「I & I」なんかは特にそんな感じがしますね。

Caravan:そうですね。あれは本当に自分と自分ということでね。けっきょく人って自分の鏡だったりするんですよね。その、なんていうかな、自分に言っているようで相手に言ってるし、相手に言っているようで自分に言ってるみたいな、そういう言葉。そういうのって結構ありますよね。

—— WS:曲を聴いていると、子供に対する気持ちを感じ取れるようなところもあるんですけど。

Caravan:そうですね。意識してイメージはしていないけど、今、頭で考えてることがリンクして音楽になるから、自分の今のムードとか、自分の空気感が多分そういうところにあるんだと思うんですよ。さっき言ったように中心にあるものが、前は自分個人だったものが、その家族が増えたってことが自分個人が中心じゃなく、例えば息子が中心になったりすることが起きてるんで、そういうところから言葉の選び方とか、歌う題材っていうのも自然と変わるのかな。また今後も変わっていくでしょうしね。

—— WS:以前「Changes」という曲の中で、変わらないために変わっていくということを歌っていましたね。

Caravan:うん、そうですね。基本的におっきく俯瞰で見れば変わらず、相変わらずの事をやってるんだけど、この15年間すごい色んな変化かありました。例えばインディペンデントからメジャーに行ったり、そこから震災とかがあって、メジャーをやめようと決めて、マネージャーと自分たちの事務所やレーベルを立ち上げたり、もっとこう自分で好きなときに音楽を作品にできる巣が欲しいなと思って、小さいスタジオを作ったり、でもそのやってることは変わってないんですけど、中心はブレてはいないと思うんですけどね。すごく環境の変化というのは常にあって、でもそこはなんていうのかな。やっぱり自分がブレないために柔軟でいようとか、ブレないためにしなやかに変化していきたいなというのがありました。本当に。Caravanはけっきょく、自分のプロジェクトだから、自分次第じゃないですか。誰かに頼まれてやってることでもないし、そういう意味では自分の好きなように変化してきてるんだと思うんですけどね。基本的には変わってないと思いますね。歌の通りで。

—— WS:15年の間に歌をやめようとか思ったことはありますか?

Caravan:歌を作るのがすごく難しくなっちゃった時期が2011年3月11日以降。そういう時期が少しあって、歌を歌うことがしらけるというか、言葉なんかなかった方がいいんじゃないかと思ったことはあったんです。
それで自分なりに考えて、半分インストみたいなアルバムを作ったりしました。例えば頑張ってる人に、もっと頑張ろうというのはおかしいし、前に進もうとしている人に前に進めというのはすごく失礼な話だし、そうなると歌うって、言葉なんていらないんじゃないかと思ったんです。でも、それもあの非常事態が起きたあの時だけで、歌を持って東北へ行くと、みんなが一緒になって歌ってくれたりする瞬間があったり、やっぱり歌を待っててくれてる人がそこにもいるというのが見えてきて、やっぱり歌を歌う、そしてみんなでシェアするというのが、すごく音楽の役割なんだろうっていうのが、改めて初心に帰って、それでまたいっぱい歌を作れるようになったけど、基本的にもう歌うことなくなっちゃったとか、歌うことに興味がなくなっちゃったというのは、今はないかな。

—— WS:これからもそれは続いていく?

Caravan:それはわからない。先のことはわからない(笑)。

—— WS:歌を歌う意欲ってどこから来てるんでしょうね?

Caravan:歌、音楽が好きだからじゃないかなと思うんですけど、こんな音楽聴いてみたいとか、こんな音楽あったらいいねとかというのもあるし。憧れが俺はすごく強くて。昔の音楽でもそうだし、憧れるんですよね。でも、やればやるほど憧れに届かないというのがだんだんとわかってきて、やっぱすげぇなみたいな先人がいっぱいいるじゃないですか。で、自分なんてまだまだなんだなと思うけど、ちょっと届いた気になったけど「ほんと勘違いだ、恥ずかしい」っていう繰り返しだから。変な話、やればやるほどこう蜃気楼みたいに遠くなるというか、音楽の神様が背中向けて去っていくというか、そういう感じもあって。だから、もう音楽をやめるなんて、失礼で言えない。まだまだ始まったばっか。これからだと思いますけどね。

—— WS:15年の間、曲の作り方は変わってきましたか?

Caravan:変わってないですね。ほぼほぼ変わっていない。今後も変わんないんじゃないかなと思います。配信が出てきたり、CDだとかレコードだけじゃない音楽の聴き方というのもすごく定着してきて、いろんな意味で様々な聴き方が出てきましたよね。例えばアルバムで1曲目から順番に聴く人ってどれだけいるんだろうとか、そういう今まで考えてもいなかったような聴かれ方をするじゃないですか。Spotifyみたいなので、この曲だけ知ってるとかね。そういう意味ではシャッフル性とか偶然性で届く人もいるんだなと思いつつ。でもそういうのもあって、今はアルバムにこだわって、曲順とか曲間とかまで考えて作ってるけど、そういうやり方は基本的にはこれからも変わんないんだろうな。自分としてはやっぱりアルバムを聴くというのは好きな作業なので、この曲だけ買おうという感覚にあまりならないから、中には自分みたいな人もいるんじゃないかなと信じて、アルバムのパッケージとして作り続けたいですね。

—— WS:今回のアルバムからは、配信で「I’m a Believer」と「革命前夜」を出しましたね。

Caravan:今まで、自分がHarvestという事務所を立ち上げ、その後Slow Flow Musicというレコード会社を作って、頑なに配信はやらないで、盤だけ。しかもそれはライブ会場や、本当に知り合いの付き合いのある友達の店だったり、っていう場所や売り方にこだわってきたんですけど、ここにきて、やっぱり時代の変化もあり、頑なに「配信はやりません」って言い続けるのもナンセンスだなというか。また例えば海外に住んでる人とか友達とか、聴きたいけどどこで買っていいかわからないとか、ライブ会場で売っているといっても、みんなしょっちゅうライブって行けないじゃないですか。そんな状況で盤を手に入れるのは大変なことだと思うので、なんかもうちょっと、みんなにフェアに聴いてもらえるように、っていう意味では今のタイミングじゃないかなと思って、今回から配信を始めたんです。でもすごくおかげさまで反響というか、喜んでくれる人が結構いて、それがすごいホッとしましたけどね。アルバムにはこだわるけど、配信もしていければいいかなと思っています。

—— WS:今回のアルバムは全部Studio BYRD (Caravanのプライベートスタジオ) で?

Caravan:そうなんです。基本的にずっとレコーディングは自分一人でやっていて、マイクを立てて、レコーディングボタンを押して、演奏して、歌って、で、止めて。それをミックスするとこまで自分でやってるんで、音源が完成するまで関わる人というのは、本当に少ないんですけど。基本、レコーディングは鶴の恩返しみたいに一人で部屋にこもって、誰にも見せずに作ってます(笑)。で、出来上がったものを周りのスタッフに聴いてもらって、感想を聞いてとか、そういうやり方でやっています。基本的には音作りに関しては、1から10まで自分一人なんで、どこを切っても自分ですね。良くも悪くも。それも自分のホームスタジオでやっているので、年々パーソナル感というか、なんだろうな。それが悪いことでないんだと思うんだけど、すごい個人的なものというか、偏ったものにどんどんなっていってるような気がしますね。でもそこがまた面白いというか、それでいいんじゃないかなと思っています。

—— WS:パーソナルな事務所、Harvestを立ち上げて12年になりますが。

Caravan:初めの頃っていうのは、どこまで自分たちでやっていけんのかっていうのが、全く未知数だったし、何か明確なプランみたいなものがあったわけではないし、こうなったら成功だっていう目標があったわけでもないし、ただもう、何かに突き動かされてというか、動いてたようなところもありました。それはレーベルを立ち上げた時もそうですけど。ずっとこう試行錯誤をしていて、未だに途中というか。全然、まだ始まったばっかりな気持ちもしてます。

—— WS:Caravanは、よく歌い続けられるのが奇跡と言ってますね。

Caravan:ほんとそうですよ。みんなそうだと思うけど、やっぱり10年以上やってる人とかは、絶対自力だけじゃないと思うんで。やっぱりそこには関わってくれてる人たちや、聴いてくれる人たちがあってのことだと思うし、始めは自分の意地と根性だけでやることはできると思うけど、それを持続させるというのは自分の力だけじゃ無理だと思ってるんで。本当にいろんな人が自分の見えないとこでも動いてくれてたり、自分の見えないとこでも何か繋がっていってたりする上で、自分はやらしてもらってるという感じなんで、もちろん自分で頑張った部分もあれば、それを全力でサポートしてくれてる人たちあってのCaravanの15年だとすごく思いますね。

—— WS:9月28日にはduo MUSIC EXCHANGEでHarvest12周年イベントがありますね。

Caravan:duoもすごく久しぶりだし、思い出のたくさんあるライブハウスだし、またそこに戻ってきてライブできるのは楽しみです。今回は『The Universe in My Mind』の再現まではいかないけど、アルバムのあの空気感でやりきりたいなと思っていて、ライブ・イン・マイ・ルームじゃないけど、ちょっとステージ上を家のように、自分の部屋のようにして、みんなを自宅に呼んでライブをやっているような雰囲気のライブにできたらいいなと思っています。きっとアットホームな密度の高い空間になるんじゃないかなと思うんですけどね。

—— WS:今後のビジョンというのは?

Caravan:こうなりたいというのは、変な話、持たないようにしてるというか、持ってないですね。だからどうなるかわかんないし、決めたところでそれ通りにならないのが人生だと思うし、逆に柔軟にいたいと思っています。よく夢はなんですかとか、目標はなんですかと言われて、すごく困っちゃうんですけど、ひとつあるとすれば、こうしてCaravanとして活動を続けていくことかなと思います。

Caravan

1974年10月9日 生まれ。幼少時代を南米ベネズエラの首都カラカスで育ち、その後 転々と放浪生活。 高校時代にバンドを結成、ギタリストとして活動。2001年よりソロに転身。全国を旅しながらライブを重ね、活動の幅を広げてゆく。2004年4月インディーズデビュー。 二枚のアルバムを発表。2005年 メジャーへ移籍。2011年までの間、年に一枚のペースでアルバムを発表してきた。一台のバスで北海道から種子島までを回る全国ツアーや、数々の野外フェスに参加するなど、独自のスタンスで場所や形態に囚われない自由でインディペンデントな活動が話題を呼ぶ。2011年には自身のアトリエ "Studio Byrd"を完成させ、2012年 プライベートレーベル “ Slow Flow Music” を立ち上げた。
これまでにDonavon Frankenreiter、Calexico、Tommy Guerrero、Ray Barbee、Beautiful Girls、SLIP、Sim Redmond Band等、多くの来日アーティストのサポートアクトや共演を果たし、YUKI「ハミングバード」「Wagon」、SMAP「モアイ」、渡辺美里「Glory」「Hello Again」を始め、楽曲提供も手掛けている。Caravan自身も含めたった3人でマネージメントとレーベルを運営。インディーズ流通すら使わず、その唯一無二のスタンスでの活動で注目を集めている。
独自の目線で日常を描く、リアルな言葉。聞く者を旅へと誘う、美しく切ないメロディー。様々なボーダーを越え、一体感溢れるピースフルなLive。世代や性別、ジャンルを越えて幅広い層からの支持を集めている。2019年8月1日にニュー・アルバム『The Universe in my Mind』をリリースした。

ALBUM

『 The Universe in my Mind 』
3,200yen+tax / SFMC-007
01. Cream Dream(Instrumental)
02. I & I
03. ユニバース
04. I'm a Believer
05. Ture Blue
06. 革命前夜
07. Hello & Goodbye
08. 1000の言葉より
09. May
10. Hello Again
11. The Passenger

CD購入はこちら
http://harvest-music.shop-pro.jp/?pid=144224120
■配信・購入・再生はこちら
https://linkco.re/fQBb9eF4

 

 

  Caravan / Hello & Goodbye【MUSIC VIDEO】

Caravan / 革命前夜【MUSIC VIDEO】

LIVE

HARVEST 12th Anniversary
Caravan " The Universe in my Mind " Special Live 2019

■9/28(sat) 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 17:30 / START 18:00 / ADV.スタンディング ¥5,000
◎ticket now on sale!!! (pia / lawson / e+)
info. DISK GARAGE 050-5533-0888
http://www.duomusicexchange.com/

撮影協力:kissa nico

〒152-0023
東京都目黒区八雲5-18-16
TEL 03-3717-6677
◎営業時間:月~水 10:30~19:00(LO.18:30)
金 12:00~19:00(LO.18:30)
土・日・祝 10:30~19:00 (LO.18:30)
木 定休
https://kissanico.tumblr.com

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