禪波 ZENBØ|2026年の来日公演に向けてインタビュー



台北を拠点に活動する芸術家型ラッパー、禪波 ZENBØ。グラフィックデザイナーとシンガーソングライターという二つの顔を持ち、映像が浮かぶような世界観と独特の空気感を持つ音楽で、ヒップホップシーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。2017年には、1stアルバム『怪胎大雄』で金音創作獎「最優秀ヒップホップアルバム賞」を受賞。さらに2021年には、台湾のオーディション番組『大嘻哈時代』Season 1で5位を獲得し、確かな実力と多くのファンを築いてきた。

禪波 ZENBØの音楽は、Hip-hop、Alternative R&B、City Popなどのジャンルを横断し、音楽を通して感情をひとつの情景として具現化することを得意としている。これまでにも、盧廣仲、呂士軒、國蛋、李千娜、吳獻をはじめ、金音獎を受賞したBraddや、金曲獎新人賞にノミネートされた鄭雙雙など、実力派アーティストとの幅広いコラボレーションを行ってきた。また、第一回JAM JAM ASIAでは、ベトナムの人気ラッパーSuboiとの共演も果たしている。

2026年10月1日には、3rdアルバム『DUST BLOWING』を全世界リリース予定。10月5日には、渋谷のduo MUSIC EXCHANGEに出演する。今回が禪波 ZENBØにとって初の海外公演となり、新たな作品やコラボレーショングッズを携えて、日本のリスナーとの出会いを楽しみにしている。



Q1|まず、初めて禅波 ZENBØを知るリスナーの皆さんに、自己紹介と現在の音楽活動について教えてください。また、グラフィックデザイナーと音楽クリエイターという2つの顔を持つアーティストとして、それぞれの分野での経験は、音楽制作にどのような影響を与えていますか?


A:
Hi、みなさんこんにちは!禅波 ZENBØです。台北を拠点に活動しているラッパーで、主にHip Hop、R&B、Popなどの音楽を作っています。2017年には、1stアルバム『怪胎大雄 GEEKNONOBITA』で金音創作獎の「最優秀ヒップホップアルバム」を受賞しました。現在も継続して音楽作品を発表していて、今年10月には3rdアルバム『DUST BLOWING』をリリースする予定です。

音楽とグラフィックデザイン、どちらも僕にとっては、自分のスタイルを強く表現するためのアートです。あえてこの2つを別々のものとして考えたり、それぞれの肩書きを分けたりすることはありません。僕にとっては、どちらも本質的には「創作」だからです。

音楽でビジュアルを支え、ビジュアルで音楽を際立たせる。宮本武蔵の二刀流みたいに、「自分のスタイルを表現するための2つの武器を持っている」という感覚ですね!

Q2|あなたの音楽はHip-hop、Alternative R&B、City Popなどさまざまなジャンルを横断し、映像や空気感を感じさせるサウンドも特徴的です。普段、どのようなところから創作のインスピレーションを得ていますか?また、頭の中にある「イメージ」をどのように音楽へと変えていくのでしょうか?

A:
普段のインスピレーションは、主に日常生活や、自分自身が人生について感じたことから生まれています。もともとデザイナーということもあって、曲を作るときは、まず「画面に浮かぶようなイメージ」を大切にしていて、色や雰囲気を音楽へと変換していきます。

音楽そのものを、言葉やメロディーによって一本の「聴く映画」のようなものにしたいと思っています。あるいは、耳で聴くことのできるビジュアルノベルのようなものですね。

僕の音楽を通して、聴いてくれた人それぞれが、自分自身の新しいイメージや連想を広げていってくれたら嬉しいです。

こうやって言ってみると、ちょっと『呪術廻戦』の「領域展開」みたいですね!


Q3|2017年には『怪胎大雄』で金音創作獎の「最優秀ヒップホップアルバム」を受賞し、その後『大嘻哈時代』第1シーズンにも参加し、5位という結果を残しました。これまでの経験を振り返ってみて、音楽家としての創作スタイルや考え方に、どのような変化がありましたか?

A:
もともとの僕は、どちらかというと自分に自信がなくて、いつも自分自身への疑いを抱えているような人でした。

でも、こうした経験を一つひとつ積み重ねていく中で、少しずつ自信を持てるようになりました。
そして、音楽を作ることで、今までよりも深くこの世界を知ることができたと思います。音楽があったからこそ、部屋の中からステージへ出ていくこともできました。
最初の不確かな気持ちも、少しずつ確信へと変わっていきました。
だから今は、もっと大きな声で、もっと誇りを持って、自分自身の作品を歌えるようになったと思います!


Q4|これまでに盧廣仲、呂士軒、國蛋、李千娜、吳獻など、さまざまなアーティストと共演・コラボレーションしてきました。また、JAM JAM ASIAではベトナムのラッパーSuboiとも同じステージに立っています。さまざまなアーティストと交流したり、コラボレーションしたりする中で、特に印象に残っている出来事や、創作に影響を与えた経験はありますか?

A:
ここで名前を挙げたアーティストの皆さんからは、本当にたくさんの影響を受けています。
盧廣仲からは、「ステージ上の一秒一秒がすべてパフォーマンスなんだ」ということを教えてもらいました。
呂士軒からは、「毎日、創作を止めないこと」を励ましてもらいました。
國蛋は、歌詞を通して、さらっと書いているように見えて、言葉には確かな重みがあることを教えてくれました。
李千娜と吳獻からは、声の表現や作り方を通して、音楽に対するこだわりや情熱を感じました。

そしてSuboiは、実際に現場で僕の音楽を聴いてくれて、とても嬉しい言葉をかけてくれました。また、あのJAM JAM ASIAでは、以前からずっと好きだったR&BアーティストのSIRUPにも出会うことができました。

こういう経験は、全部音楽が僕に与えてくれたものです。自分がこんな景色に出会えるなんて、昔は想像もしていませんでした。


Q5|今年8月18日に最新シングル「DESTINED」をリリースし、10月1日には3rdアルバム『DUST BLOWING』のリリースも控えています。「DESTINED」と新作アルバムについて、これまでの作品との違いや、今回の制作で挑戦した新しい方向性について教えてください。

A:
今回の新しい作品には、これまでの自分よりも、もっと成熟した部分が出ていると思います。
この数年間、いろいろなことを経験してきて、何もわからなかった少年だった自分も、少しずつ成長してきました。
「DESTINED」は、これまで自分がやってきたラップという作り方を完全に手放して書いた曲です。
以前の僕は、「Rapper」という肩書きにかなりこだわっていました。でも今は、もっと「ミュージシャン」になりたいと思っています。
僕にとってラップは、あくまで自分が持っている一つのツールです。本当に目指しているのは、もっと幅広い表現ができるクリエイターになることです。

そうした考え方は、新しいアルバム『DUST BLOWING』にもつながっています。
今回は、よりリアルな感情を使って、このアルバムの中にある物語を表現しました。
この数年間で僕がどんなふうに成長してきたのかを知りたい人には、ぜひ『DUST BLOWING』を楽しみにしていてほしいです。


Q6|10月5日には、渋谷 duo MUSIC EXCHANGEで初めて日本でライブを行います。今回が初の海外公演になりますが、日本で初めてライブをすることについて、どんなことを楽しみにしていますか?また、会場の観客にどんなことを感じてもらいたいですか?

A:
去年の12月に渋谷でLeo王のライブを観たんですが、そのときに「いつか自分も日本でライブができたらいいな」と思っていました。

まさか、こんなに早く実現するとは思っていなかったです!

当日は、自分の音楽で会場のみんなを感じさせて、日本のリスナーの皆さんに「台湾から来たこの人、なんかちょっと違うな!」と思ってもらえたら嬉しいです。

去年日本で何本かライブを観たんですが、日本のライブの雰囲気がすごく好きでした。

観客の皆さんがアーティストの音楽を集中して聴いて、そして拍手や声援で応えている。その空気がとても印象に残っています。

次は、僕の番です!

Q7|最後に、今回のライブを楽しみにしている日本のリスナーの皆さんへ、一言お願いします!

A:
みなさんこんにちは!禅波 ZENBØです!
10月5日、duo MUSIC EXCHANGEで開催される「Two Waves」に出演します。
今回が僕にとって初めての海外公演であり、3rdアルバム『DUST BLOWING』リリース後、最初のライブでもあります。

日本の皆さん、ぜひ会場に遊びに来て、一緒に楽しみましょう!

当日、会場で会いましょう!



Two Waves
出演者:SATOH / BILLY BOO / 禪波 ZENBØ (TW)
✧OPEN 18:30 / START 19:00
ADV.¥3,500-(税込)/DOOR.¥4,000-(税込)
※ドリンク代別途必要