Music For Lifeがおくる想い出の映画のワンシーンを振り返るトーク&ライブイベント「想い出のワンシーン」
公演終了後にまだまだ会話の尽きない松室政哉、おおはた雄一の楽屋を少しだけ覗いてみました!
どんな会話を繰り広げているのか…。チェックしてみましょう!
■文:Music For Life
僕も映画のスイッチが入っちゃいまして…。
●松室政哉(以下、松室):本日はありがとうございました!
●おおはた雄一(以下、おおはた):ありがとうございました〜
●松室:僕も初めてのイベントだったので、どうなるかっていう中で最後盛り上げていただいて。
●おおはた:最後ね。マイクスタンドは倒れ、ギタースタンドも倒れ。よかったですね(笑)
●松室:よかったです(笑) 実際後ろで映像流して演奏していたじゃないですか。そのシーンを見ながら動きを真似していたじゃないですか。その度にお客さんがめちゃくちゃ盛り上がってましたね。
●松室:僕も映画のスイッチが入っちゃいまして…。
●おおはた:だいぶ入ってましたね(笑)
●松室:結構喋りすぎたかなって思ったんですけど、それでもまだアンケートでも拾いきれていないところがあったので…(笑) そこを質問できればと思います。
●松室:「一番好きな映画をあげるとしたら?」ってこの質問なかなか難しいじゃないですか。それで一番よく聞かれるじゃないですか。
●おおはた:一番好きなギターリストは?とかね。
●松室:そうですね。ちなみにその時その時でっていうのはあるんですか?アンケートには「今の気分だと、ナイトオンザプラネット」って書いてあるんですけど。
●おおはた:その時思いついた映画ですね。
●松室:ちなみに今この瞬間は何の映画が観たいですか?
●おおはた:今観たい映画!?うーん、今ロッキーを見返してて「ロッキー3」までみたから「ロッキー4」かな?笑
あれは本当にあのシーンに対する拍手だよね。
●松室:結構答えているのだと、好きな映画のジャンルが音楽もの、ドキュメンタリー、ロードムービー、最近はファンタジーも好きと。音楽ものというとミュージシャンの伝記映画とかそういったものですか?
●おおはた:音楽映画でいうと「キャデラック・レコード」とか結構そういうのが好きで。あとは「雨に唄えば」とかも自分にとっては音楽もので。あまりミュージカルって得意じゃないんですけど、「雨に唄えば」はすごく好きで観れるんですよね。
●松室:多分、本当に名作すぎて今日来てくれたお客さんの中でもまだ観たことがないって方結構いらっしゃると思うんですよ。でもそういう方たちが、今日観ていて歌のシーンが終わったら、自然と拍手が起こっていたので、すごいなって思いましたね。
●おおはた:そうそう!あれは本当にあのシーンに対する拍手だよね。だからすごいよね。
●松室:一つのシーンだけれど、すごい色々考えられて作られているのが伝わりますよね。
●松室:ドキュメンタリーとかはどんなの観られるんですか?
●おおはた:ドキュメンタリーね。音楽と重ねると「ブエナ・ビスタ」とかああいうの好きですね。ちなみに何かいい映画ありますか?
●松室:音楽ではないんですけど、日本の映画で「監督失格」っていうのがあって、もともとピンク映画を撮影していた有名な監督がいたんですけど、その映画に出てくる女優さんと付き合っていていい関係だったんですね。でも、その女優さんが急に自殺しちゃうんですよ。それを機にすごく映画の才能があった方なんですけど、映画を作らなくなっちゃって。それを見兼ねたエヴァンゲリオンの監督の庵野さんが「このままじゃ人間としても監督としても死んでしまうから、今抱えている思いを全部整理しろ」っていうんですよ。それで監督は自分で自分を撮りながら昔彼女と過ごしていた時の映像を泣きながら編集する映画ですね。
●おおはた:それは結構ヘビーな感じだね。
●松室:ヘビーです!その映画を見て終わった後立ち上がれなかったんですけど、でもモノを作るってそれくらいの魂の削り方を無意識に僕たちにもあるんじゃなかなって思って。
●おおはた:そういうのって「エンディングノート」もそうだよね。あとはヘビーとは違うけれど、坂本龍一さんの「RyuichiSakamoto : CODA」でのプライベートな表情とか。
●松室:ドキュメンタリーだからこそ、中途半端なメッセージじゃ作れないと思うんですよ。作り手の中でどんなメッセージを伝えたいのかが色濃く出ているから。ドキュメンタリーってどんなものでもドン!と来ますよね。
感情移入していたキャラが変わってくるんですね。
●おおはた:今でも映画作りたいとか思っているんですか?
●松室:思っています。開演した時に演奏した「きっと愛は不公平」もMVを僕が監督させてもらって。
●おおはた:あれ監督しているんですか!
●松室:そうなんです。あれはMVですけどいずれは映画も撮りたいと思っています。ただドキュメンタリーは作れないと思います。
●おおはた:小説とかだと、ノンフィクション作家なんてものすごい取材して取材して…。すっごい作業の組み立てが必要で。「エンディングノート」も実の父親を撮っている訳で。自分がカメラを回しているって考えるとなかなかヘビーだし。
●松室:しかも、気丈に振る舞うお父さんが映れば映るほど…僕ら結末がわかっているので余計に…。
●松室:おおはたさんは人がリアルに心情が変化していったりとか。表情を変えていく様みたいなのが映画に求めているものかもしれないですね。
●おおはた:あとは飛行機の自由時間をなんとかやり過ごしてくれる映画とかね。でもだんだんね、例えば「ロッキー」見た後に腕立てするとかそういうの無くなって来ましたね。
●松室:そういう映画に影響されるみたいな。
●おおはた:「ビー・バップ・ハイスクール」を観て喧嘩するとか。
●松室:「仁義なき戦い」を観て広島弁になるとか(笑)
●おおはた:そういのがなくなって来ましたね。
●松室:それはどこかで俯瞰して見ているのかもしれないですね。
●おおはた:だから、本当につまらない大人になったなって…(笑)
●松室:いやいやいや!そういうことじゃないと思いますよ(笑)
●おおはた:特に映画って見ていると、年齢によっても見方が違うから。「ロッキー」も今までロッキーにグッと来たんですけど、今トレーナーのミッキーにグッと来ますね。
●松室:あーなるほど。同じ映画の中でも、感情移入していたキャラが変わってくるんですね。
●松室:最後に好きなサウンドトラックについて聞きたいのですが。特に印象に残るものとかってあったりしますか?
●おおはた:ジブリの映画とかはやっぱり音楽が素晴らしいんですよ。意外とずっと音楽が鳴っているでしょ?音楽なっていない時の方が少ないくらいなので。音楽で感情グワーって持っていかれるのがあったりして。でも、サウンドトラックで好きなのは音数が少なくて楽器もすごくシンプルで、ニールヤングがギター一本で弾く「デッドマン」とか。ライ・クーダーが演奏した「パリ、テキサス」とか。やっぱり音楽作品としても好きなものはいいですね。あとは坂本龍一さんが作曲した「トニー滝谷」とか大好きで。
●松室:いいですね。
●おおはた:「トニー滝谷」は信じられないくらい音数が少ないんですよ。ピンッ…(5秒沈黙)テレー!みたいなね。
●松室:(笑) でも、それが映像の中で流れるとそれしかないんですよね!それこそまさにサウンドトラックで、その映像のために作られたみたいなところはありますよね。
●松室:今回、流さなかったんですけど「シング・ストリート」っていう映画があって。去年一昨年で僕のNo.1映画だったんですけど。そのサントラって、80年代っぽい曲を少年たちがオリジナルで作曲した程で。それが抜群にいいんですよ!ほどよく下手なんですよ。あの下手さどうやって出しているんだろうって思って。曲も良くて、80年代のイギリスっていうのをテーマをやっているこのサウンドトラックっていうのが久々によかったですね。
●おおはた:でも、サントラってそう考えるといいよね。ギターのサウンドだけでも浮かびますもんね。
●松室:そういう意味では、音楽は映画の結構な割合を占めていると思いますね。
●おおはた:よく夜中テレビでやっている深海とか海の生物たち戦いみたいなのもすごいオーケストラだよね。大袈裟だなって思うくらい。
●松室:確かに(笑) 音楽ってシーンによっても印象がかわるから、あえて殺人シーンの時に滑稽な音楽を流したりしたら妙に怖くなったりするんですよね。
●おおはた:「グッドモーニング,ベトナム」の戦争のシーンとかは結構…こういういい話が本番にできたらよかったね!!
●松室:これも書き起こされますから!(笑)